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空につながるための家

またシュガソル三昧の週末

金曜日、残業後ダッシュで帰宅、夫にマクドを食わせ、犬の散歩をぞんざいに済ませ、髪振り乱してまた新横浜のライブハウスへ。




ご病気で遠方で安静にしていらっしゃるはずの友人発見!!
(わかる!無理してしまうのよーっ)

今回は、冒頭から「リビドー」と「Swallow」、どれをとってもシングルA面(A面という概念が今の世にまだあるのか?)のNeutralの中から立て続けに2曲。

そこから、ぐっと"Sugar Saltらしい"濃い選曲が続く。シブい。
「ここから」、こんなに激しい曲だったのか。
「Dusty」、光、広がり、宇宙...女性の中に包まれるイメージ。

「Heaven」、何度聞いても本当にかっこいい。
内なる孤独、苦悩、衝動、破壊...ヴォーカルの表現力はもちろん、ドラムがキモでもあるし、途中でベースとギターが対決の形で華を競い合う見せ場もあって、4人の魅力を一番バランスよい形で堪能できるのではないだろうか。
でも、私はまだこの曲で天国が見えたことがない。皮肉でタイトルをつけるような浅薄なことはしないと思うので、きっといつか見えるのだと思う。

「ことば」下り坂を駆け下りる歌なのだが、上り坂をぐんぐん駆け上がって行くイメージがある。
なんでだろうと考えたら、上がりきったところで、ぱーっと視界が開け、海が見えてほしいからだった。

完璧な演奏だと思った。全ての音がバランスよくクリアで清明に聞こえ、メンバーの方達も心と身体のコンディションを上手に保って、ちっとも危うげなところがない。プロだなー!!
...でも、やっぱり6曲では短すぎる。せつないラブソングや、不良っぽいかっこいい曲や、内面世界に深く没入してゆくような曲や...もっともっといろんな彼らを味わいつくすだけの演奏時間があればよいのに。
でも、翌日もライブに行く予定だったので、そちらに期待。


土曜日、夫と犬に夕飯を食べさせ、車を飛ばして下北沢のライブハウスに。

前夜と全く同じ構成で、場所による印象の違いが顕著で、なんだか考え込んでしまった。
下北沢の音は迫力あるドラムと低音にかえって圧迫感を感じてしまった。低音は響くのに、ベースの音は奥に引っ込んでいるようで追いかけづらくて、コーラスも最初の方、ほとんど聞こえないし。
(多分好みの問題だと。下北沢の会場は男の子が多く、踊って楽しんでいたから、ああした音が合うのでは)

これまであまり深く考えたことはなかったが、機材とか設備とか、ミキサーの方の力量とか、プラグを通して表現するああいった音楽には、本当に大きな要素なのだなあ。
文学作品とその翻訳という位。
どんなにコンディションを整え、よい演奏をしても、こちらに届くには、いろんな要素や解釈が加わり。

私は澄んだ水のようなクリアな新横浜の音がベストと思ったのだが...
それが、また一筋縄ではいかなくて。

新横浜でご一緒した友人は、別の位置で聞いていて、途中までちょっと辛い音だったと(演奏はよかったのに)。
同じ会場でも立ち位置とか、体調とか好みとかが違うと、全然違って聞こえるのだ。

両会場同行した友人によれば、下北沢の方が断然よい、と。
そうなのだ。
コンディションは同じで、同じだけ誠実に演奏していても、演奏者にはコントロールできないそれ以上のものが、「正解」「完璧」な演奏のうえにのっかってくるのだ。
大きな拍手、熱演の度に客席から突き出る何本もの腕、歓喜が増幅してゆく毎に、音がどうこう、そんなものを超えて演奏者が高みにのぼってゆく。

新横浜では、MCのとき、ピカドンをテポドンと言い間違えても(あれはギャグだったのか??あんなことがあってもまだ平和を確立し得ない現代への皮肉をこめた...)、だれもツッコミを入れることなく進んでゆく淡白な雰囲気で。
下北沢では何か言うたびにドカンドカンと大笑い。

...歯がゆい。
あ~あ、サスケのように忍法影分身を使えていたらなあ。


結局、私は、最高の演奏を聴きたい。
1)最良の音響設備と技術者で、
2)たくさんのファンと一緒に、
3)ワンマンで長時間
Sugar Saltをとことん強欲に堪能したいのだ。

でも、そのときが来たら、チケットが取り辛かったり、遠くて豆粒のようにしか見えない彼らを見て、寂しくなるかもしれないから。
今は今でしか楽しめない彼らを楽しんでおかなくちゃ。
あああ、ジレンマ。。
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