人気ブログランキング | 話題のタグを見る

空につながるための家

訃報

先ほど設計事務所のCさんから酔いどれ先生訃報を知らせる電話がありました。

......

酔いどれ先生が灰になり旅立っていかれたまさにそのときに、私達はああしてくれ、こうしてくれと新居の希望をどっさり送っていたわけで...恥ずかしい。
あんまりびっくりして、ちゃんとお悔やみの言葉が言えなかった。訥々として何をしゃべったんだか...情けない。

仕事中の夫に電話を終えてから、香典は?私達の家は?とちょっとパニックになってから、昨夏お会いしたときの様子が思い出されて、涙が出てきました。

グリグリギョロギョロと目を輝かせてお酒を飲んでいる酔いどれ先生の横で見守るように寄り添っていらっしゃった奥様、この酒にはあっちのグラスだと奥様を急き立てて、満足そうにお気に入りのグラスにシェリー酒をついでいたっけ。公園の木漏れ日から夏のまぶしい日差しがテーブルの上に注いで、グラスの中のシェリー酒がとても美しくみえて、なるほどと思ったっけ。
生涯現役、すごいと思うと同時に、それをさせた奥様はすごい。
でもお辛いだろうなあ。

入退院を繰り返されているとお聞きしたとき、竣工が遅れても体調回復に専念されてはと提案したのですが、仕事をすることこそが励みになっているのだときっぱり答えられたのが先週、あのときはもうかなりお悪かったはずで...。

実務を行っていたのは元々Cさん達スタッフで、事務所はこのまま継続、工務店も30年来の付き合い、だからsoraieさん宅のことは御心配なくとのことですが。

実は実際に窓口になって動いてくださっているのがCさんでよかったとずっと思っていました。
若くはつらつとしていて頭の回転が速くて、酔いどれ先生の作品を多分誰よりも理解しながらも実務面では芸術家というより「やり手のビジネスウーマン」。
こんな風にお別れするとは思っていなかったにしろ、60代の酔いどれ先生がいずれ引退したとき、あるいは突然山の中に事務所を移すとか、船上生活を始めるとか、そういうもっと楽しいことで旅立っていかれた何十年か後には、Cさんに増改築をお願いするのかな、と想像していました(!まだ家が建ってもいないうちから)。
でも....どうなるんだろう。
夫が帰宅したらゆっくり今後について話し合うつもりですが、そもそも短い電話のやりとりでは材料が少なすぎて。
酔いどれ先生に設計してもらった家で仲良く末永く暮らす夫と私

しか考えていなかったので、もうなにがなんだか。。。
<< シャボン玉とんだ 夫婦の距離 >>