空につながるための家

トリー闘病4 〜以心伝心〜

トリーがわかった言葉:

Sit(または人差し指を立てるアクション。反省の意を表すときいつも自主的にsitした) 
Down(または手のひらを下に下げるアクション)
Stay(または手のひらを見せる)
Come(いつでもトリーが一番好きな指示だった)
Heel(または左手で左の腿を打つアクション)
Stand(または手を水平に左から右へ)
Jump
お手(強烈パンチをよくくらった)
おかわり
ごろーん(横になって寝転ぶ。)
Kiss(猛烈にキスされ続けるのを防止するため。「キス!はい、止め!」)
Up(2階にあがる)
Out(口にくわえたものをリリースさせるとき)
House(バリケンや家の中、車の中に入る)

ご飯、食べる?、食べたい?、 お腹すいた?、おやつ、ねんね,,,

トリー、トーリー、トリちゃん、トリ君、トリ吉、トビー、黒い子...

いい子、おりこう、かわいいね、えらいね、すごいね

悪い子、あ!(警告)、No!、バイバイ

散歩、留守番、お水、雨、シーシー、ウンウン、お庭

センセイ(訓練士の先生が大好きだった)
XXセンセイ(この言葉で動物病院に直行した)
猫、鳥、うさぎ、おじちゃん(夫のこと。単身赴任が長かったので)、お友達

ちょうだい、もってこい
チューチュー(音がチューチュー鳴るおもちゃ)
スリッパ

...あと、なんだろう。思い出せない。
犬に文法はなかっただろうが、これらを組み合わせて理解できた。「お庭でシーシー」「チューチュー持ってこい」「スリッパもってこい」「おじちゃんが食べてるよ」等々

言葉じゃなくて、何か特別なやり方があったのかもしれない。トリーは私の言うことをかなりわかっていたし、言う前の思考までわかっていた。
おやつを前に、Stayをかけて、「よし」と言わなくても、目に柔らかい表情をにじませるだけで、食べ始めたし、「まだだよ」と言わなくても、ピリッとした雰囲気を出すだけで、ずっとStayしてた。
散歩中、進行方向にある横断歩道の信号が青の点滅になって、「あ、渡りたいな」と、心の中で思うだけで、小走りしてくれた。
トリーは私に以心伝心だったね。
私は世の中で一番トリーのことをわかっていた人間だけど、それでも全然わかっていなかった。
前から体がおかしかったんだね。頭も痛かっただろうね。めまいもあったろうね。
お前がいつも変わらず食いしん坊で元気でいてくれたから、こんなおもしろい楽しい子が悪い病気だなんて考えもしないで、お前に甘えていたよ。

トリー闘病3 〜普通の毎日〜

最近は仕事の量を減らしていたものの、準備したり、雑務や行事があったり、負荷が大きかった(でも、どれも達成感があって楽しかった)。

この秋~冬は一緒にシングルベッドで寝ていて、お互い無理はあったものの、かなりすごく暖かくて具合よくて、夏布団のまま春を迎えてしまうほどだった。

私はめまいに悩まされていて、起床時間の1時間位前から、徐々に頭を起こして、そーっと起きるということをしていたから、トリーにも付き合ってもらってた。
トリー「もう起きようよー。ご飯食べようよー」
私「まだよ、まだまだ。ねんねだよ」

いよいよ私がベッドから起き上がると、わーい、わーい、おはようってはしゃいでたね。朝からテンション高くていつもご機嫌だったね。
庭かケージ内のトイレでおしっこさせて、フードをちょびっと(夫が独身時代カップラーメンを作るのに愛用してた計量カップに山盛2杯が1日の量だったけど、お腹に負担をかけないよう、それを何回にも少量に分けて与えていた)。
高い棚の上に置いたフードの袋を取るために、椅子に乗るのを見るや、喜びのあまりぐるぐるリビングを走り回ったね。
ステンレスの餌入れに、カラカラカラ~って、フードを投入する音を聞くと喜びも頂点、大変だー、一大事だーって真剣な顔で、バリケンに駆け込んだね。
1日に何度もそんな幸せの絶頂に立ち会えて、私も楽しかったよ。
ゴミ出ししたり、表を掃いたり、洗濯物を干したり、私が動く度に一緒について回って、しおらしい顔をしたり、反省してみせたり、ぱっと明るい顔をしたり...賑やかでせわしなくて、いつもおもしろかったよ。

仕事がある日は、近所の公園まで短めのトイレ散歩、帰ってまたご飯、その後、11時前から夜までずっとお留守番だった。スーツケースや板で作ったバリケードを越えて、私のベッドルームに入り込んで寝てたね。

仕事がうまくいかなくて落ち込むこともあったけど、自宅の駐車場に車を入れて、エンジンを切ると、玄関の扉の向こうからピーピー甘え鳴きする声が聞こえてきて、どんな疲れも悩みも吹き飛んだよ。あのピーピー声があんまりかわいらしくて、しばらく車内で聞きほれてたこともあった。
玄関をあけると、靴をくわえて2階に駆け上がっていったね。ダメッ!と阻止すると、洗面所に走って行って、足拭きマットをくわえて駆けていったね。
私が着替えていると様子を見にきて、バッグに顔を突っ込んで怒られてまた2階に駆け上がって。

私が自宅でイライラ仕事の準備をしていると、あんなにべったり甘えん坊なのに、ふっと思い立ったように階下に降りていったね。
ピリピリしてる人と同じ部屋にいたくないよね。ごめんね。怒ってた訳じゃなかったんだよ。
それでも傍に来ておすわりをしてじっとこちらを見つめて、
トリー「あのー...何かお忘れじゃないですか?」
私「お散歩?ご飯?しょうがないなあ」

お散歩中もずっと仕事のことを考えたり、ぶつぶつとシミュレーションしたり、アイデアを振り絞ったり、上の空の人とお散歩しても楽しくなかったでしょう?それでも協力してくれてたね。

夫は帰宅後、りんごをひとつ食べるのがいつもの日課だった。
そのおこぼれをもらうのがトリーの夜の楽しみだった。
りんごの皮をむきはじめると、鼻を切り落としてしまうんじゃないかというくらい顔をまな板に近づけて、じーっと凝視していた。
厚めに切った皮をやると、ピラニアのように目をむいて食いついてきたね(お腹に悪いから少しだけ)。
芯を取って8等分にした1切れを細かく切り始めると、大変だー、一大事だーと躓きながらバリケンに飛び込んでいったね。

私がお風呂に入っている間も覗きに来たり、脱衣所のパンツやソックスを盗んだり、やりたい放題だったね。
一緒に寝る前、いつも勿体つけて、お前なんかあっちへ行きなさい、今日は私のベッドには入れてやらないよ、と言ったのは、ええーっ!??(悲)、もういっぺん頼んでみよう(希望)、本当にいいの?やったーっ!!(喜び)、気が変わらないうちに早い所布団に潜り込まなくちゃ(焦り)...くるくる変わる表情が面白かったからだよ。


仕事が休みやキャンセルになったときは、長いお散歩や車での遠出、ワクワクしたよね。
自宅から半径4km以内は、歩いていない道はないんじゃないかという位、歩き回っていたけど、なるべく知らないところに行こう、歩いていない道を歩こうって決めて、いろんなところに行ったね。
遠くにこんもり木が茂った神社や、瓦屋根のお寺らしきものが見えると、そこまで歩いて行ったっけ。この辺りの神社仏閣でお参りしていないところはないんじゃないだろうか。道道のお地蔵さんにも必ず、私とトリーの健康祈願していたから、バッチリだって思ってたんだけど。

川や森、お前の大好きなグランベリーモールは閉鎖されちゃうんだって。タイムスリップしたみたいな里山の風景、駅前の鯛焼き屋さん、ドッグカフェ、焼き鳥屋さん、寺家ふるさと村から三輪まで歩いたこともあったね。芹が谷公園、薬師池公園、小野路...
湘南はよく通ったね。観音崎、秋谷、江ノ島、七里ガ浜から長谷。夢見が崎の動物園に行ったときは興奮してたねえ。夕日の滝では堀北真希さんのご主人に会ったね。みなとみらいでは華麗なジャンプでソフトクリームを食べられちゃったね。

歩いていると、いろんな人に話しかけていただいたね。昔自分も犬を、ドーベルマンを飼っていたと懐かしそうにその子の名前や、どんな子だったか、教えてくれた人たちが特に心に残ってるよ。
心臓の病気のあと毎日歩いてた魚屋のおじさん、いつも自転車に乗ってた東北訛りのおじいさん、亡くなった愛犬が夢に出てから立ち直ったと言っていた女の人、みんな、幸せにしてるかなあ。

仕事のない長期休みの日、朝起きて、「どうする?海行く?山行く?川?どこでもトリーの好きなところに行こう」っていうときが最高だった。

本当に本当に、毎日幸せだった。

トリー闘病2 〜お互い歳をとったよね〜

トリーはずっと小さい子供みたいでいてくれたけれど、1年くらい前から、おじいさんになったなあという場面が増えてきた(脳腫瘍がさせていたことなんだろうか)。

3年ぐらい前だろうか、時折腰が痛むようになって、ドッグランなどで激しく走らせることは控えていたのだが、ジャンプの掛け声で、高いところに飛び乗ったり、障害物を飛び越えたりするのは大好きだった。
目を合わせて、にやっと楽しそうな雰囲気を出すだけで、「ジャンプ?ジャンプ!ジャンプしたいよー」と、のってきたし、散歩中もっと遠くまで行きたいのに私が帰ろうとして、固まって拒否しているときも、片脚を上げて「ジャンプ!」って言うと、騙されて、ジャンプして、そのあと自宅まで歩いたものだった。
よく保育所の赤ちゃんたちが公園で遊んでいる前を、おすわりさせてジャンプさせて、拍手喝采をあびたっけね。保育士さんに、ありがとうございます、なんてお礼を言われて。

あんなにジャンプが好きだったのに、今日はいいです、ってのってこないときがあったね。

おでかけのとき、喜び勇んで車に乗っていたのに、おやつを見せてもじっと立ち止まって、事情があるんですというように考え深そうにしていて、よっこいしょと下半身を持ち上げて介助すると車に乗り込んだね。
夜、私のベッドに潜り込むときも、おふとんに入っていいよって許可すると、喜び勇んで、私の気が変わらないうちに早くしなくちゃって焦ってベッドの上に飛び乗ったものだけど、じいっとしばらく考えたり、飛び乗ろうとしてこけちゃうことがあったね。

口の周りにも白髪が増えて、若犬の印だった前脚の黒い斑点もなくなって、トーリーじいちゃんなんだね、って思ってたよ。3歳位からかな、落ち着いてきて「えらいね、もうお兄ちゃんだね」ってよく言ってたけど、もう、お兄ちゃんじゃなくて、おじいちゃんなんだなって思ってた。

私もね、おばあちゃんになったよ。
今ホルモン療法をしていて、そのせいかもしれないけど、脳の認知機能がものすごく衰えていて、言葉や数字を記憶したり、文章を読んで一度で内容を理解したり、電車を乗り換えたり、そういうことが難しいお年寄りの気持ちがやっとわかったよ。
めまいとか睡眠障害とか、あと、右腋のリンパをとってから、右側で重いものを持てないとか、傷つけちゃいけないとか、いろいろあってね、無理しすぎないように加減しながら、だましだましそーっと、人様に迷惑かけないように時間をかけてチェックして、生きていこうって思ってた。
おばあちゃんでいることに全然不満はなかったよ。
同じ病気だった友達は、もう一度働くのが夢だって言って亡くなったから、なんでも食べられてどこへでも行けて働けて、こんな幸せなことはないって。

いつかしよう、じゃなくて、なるべくしたいことは叶えて、でも、欲張りすぎないで、無理しないで、って思ってた。
結果的に、トリーにしわ寄せがくることが多かったね。誰よりも自分に近い「身内」だから、しわ寄せしたり後回しにしたり、我慢させてしまったね。一番大事だったのに。
おじいちゃんとおばあちゃん、頼りないペアだったね。ごめんね。


トリー闘病 〜はじめに〜

我が家の愛犬トリーが他界しました。
(多分)脳腫瘍で、あっという間でしたが、厳しい状況のなか最後まで本当によくがんばりました。8歳と11ヶ月、ドーベルマンは短命とはいえ少し早かったです。

これまであまりにもいつも当たり前に一緒にいたので、今は、トリーがいない生活が不思議なのですが、今にこれに慣れて、トリーとの日々のなんでもない、でも私には何より大事なことが薄らいでしまう前に、トリーがどんなだったか、書いておきたいです。
闘病生活が始まってから、あっという間にいろいろなことが起こって、その度にこれは最善なんだろうかと自信がなく不安で、今でも後悔ばかりなので、介護メモや処方箋や病院のレシートをもう一度整理して、何が起こったのか、時系列でまとめて、自分自身の気持ちや記憶を整理したいです。
必死にいろんなサイトや闘病ブログを検索した日々、脳腫瘍のドーベルマンの情報がほとんどなかったので、整理したことをどこかで提供することで、少しでも誰かの役に立ちたいです。
笑ってご機嫌でいるトリーじゃない、苦しんで悲しい顔のトリーを公開するのは不本意かもしれないけれど、トリーは私のすることをなんでも許したので、許してくれるでしょう。

だらだらとものすごく長い文章、ひどく感情的だったり、多くの人にあまり意味のない文章がこれから延々と続くけれど、少しでも誰かの役に立てたら、と思います。

発病が5月1日だったので、この記事と、発病前の出来事については、4月30日にまとめてアップし、発病以降の出来事は時系列に合わせて投稿していこうと思います。

謝るのをやめよう

今日、犬の散歩中、公園のベンチに腰を下ろして休んでいたら、小さな女の子がふらふらっと近づいてきて、無言で後ろから犬の背中に手を触れようとした。
うちの犬は凶暴ではないが、特に人好きでもない。
警戒心が強いので、急に触られたらぎょっとして立ち上がるだろう。その拍子に転んで怪我をさせてしまってはいけないので、「ダメだよ」と制した。
女の子、すごく心外な様子。人生でダメって言われたことないんだろうな(短い人生だから)。
「ごめんね。この犬、怖がりなの」
謝った。

公園を出て、また歩いていたら、違う女の子がよそ見をしながら全速力でつっこんできて、私の腰にぶつかり、転んで大泣き。お母さんが寄ってきて、抱き起こしたが、泣き止まない。
「大丈夫?ごめんね。ごめんね」

あれ?なんか、私、安易に謝りすぎている。
自分は悪くないと思いながら「ごめんね」を言うたびに、確実になにかがすり減っている気がする。

子犬の頃、いつも周囲に迷惑をかけて、怖がられて、それでいつも「すみません」「すみません」...
触らせてください、と声をかけてくださる方には、嫌がるトリーを押さえつけて触っていただいていた。
ドベイメージ向上委員会の会員にでもなったつもりで。
私以上に年寄りになった犬、おかしなオバサンとヤクザな犬でいいから、これからは犬が嫌がることはなるべくしないで、散歩をじっくり楽しみたいです。
これからは、ごめんねを言う前に、いっぺん考えてみよう。「ごめんなさい」を、少しだけ減らしていこう。


# by soraie | 2016-04-23 19:46 | 生き物

毛糸到着

イトコバコに注文していた毛糸が到着。
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うわあ!かわいい。この色展開好きだ。
ありそうでない和の色。どの色の組み合わせでもいい感じ。


# by soraie | 2016-04-16 17:04 | モノ

またまたいろいろ完成!

4年間、編みかけで寝かせてしまったセーター、やっと完成。
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治療中のころ、いつも夕方の再放送ドラマ(相棒やなんか)を見ながら編んでいたので、編み目を見るとそのころの感覚がよみがえる。
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西天満のておりやで年末に買ったセーターのキット、やっと手をつける。


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ここまで編めた。


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ラベリーで、無料で公開してくださっているルームシューズ。一度も糸を切らずにざくざく進められる、すごくおもしろいパターンだった。
5年前の夏、卵巣腫瘍でフーフー言ってたころ、真夏に、通院途中に立ち寄ったデパートの手芸売り場の閉店セールで買った超極太毛糸、ついに形になった。





# by soraie | 2016-04-12 17:07 | モノ

凸凹キッチン@高田馬場

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宮川香山@サントリー美術館

恥ずかしながら、宮川香山というお名前を初めて知った。

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久しぶりに昔の職場の赤坂でランチ。
チョンソル。懐かしいな。平日とはメニューも客層も違って、また違う雰囲気。
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パーラー江古田@江古田

おいしいパンとおいしい具の無数の組み合わせとおいしさの相乗効果、ニコニコと感じのよいスタッフの皆さん、いいお店だなあ。

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