空につながるための家

カテゴリ:病気・治療( 13 )

突発性難聴、治ってきた

先週金曜日、帰宅して顔を洗っていたら急に右耳に違和感が…
あれ?水が入った?と、首を振ったり綿棒を入れたりしても治らない。

土曜日、近所の耳鼻科クリニックに行く。
HPデザインや建物、内装はきれいで親しみやすいのだが、六十代の、氷のように怖い先生。
メンソレータムの女の子みたいなクラシカルな制服の看護師さんたちが、皆ビクビクピリピリしているのがわかる。
私も、
医者「耳鳴りは?」
私「昨年から耳鳴りが…」
医者「昨年なんかいいっ!昨日のこと話しなさい。今ボクは大事なこと聞いてるんだから(怒)」
いきなりものっすごい雷落とされた。

聴力検査の後、また診察室に呼ばれたら、雷先生がものっすごくやさしくなって、気の毒そうに突発性難聴と告げられた(げ、そんな深刻な病気なの??)。

さっきまで赤ちゃんが大泣きするのを待合で聞いて、(気の毒になあ、あの先生だもんなあ)と思っていたのに、数十分後、自分がクリニックの駐車場で号泣。
泣きながら実家に電話をかけた。

父「おう!soraieか」
私「おうおうおがーざんにがわっで…わーんわんわん」
父、パニクり、soraieの犬が死んだぞ、おい、早くしろ、と電話口でドタバタすごい音がしてる。多分いろんなものにつまずいてる。
さらには電話をかわった母まで、一緒に泣き出す。

ハローワークで教えてもらった職業訓練学校に通い始めたところだったので、もう学校に行けない、耳が悪かったらその職業にもつけない、と思うと、胸が張り裂けるほど悲しかったのだった。

帰宅して、受講のしおりを読んだら、早く治せばギリギリ出席日数は足りて退校にはならないことが判明、やっと落ち着く。
がんばって早く治さなくちゃ。
週末は極力耳を使わないように安静にして、薬を飲む。

月曜日、紹介状を持って近所の大学病院へ。
検査の結果、少し聴力が回復していることがわかって、今度はうれし泣きしながら親に電話(汗)

夕方、ソファに座っていたら、聴覚が戻る感覚が。
私、去年の秋からうるさい位の耳鳴り(FAX機みたいな)が続いていたのだが、それが復活した。
あいかわらずうるさいけどうれしい。
わーい、わーい、耳鳴りさん、お帰りなさい!!!

難聴って不思議。
単に無音の世界なのかと思ったら、変に聞こえる→外界や自分が変に知覚されるの。

悪くなった右耳は水の中みたいな、膜がかかったみたいな感じ。
異常のないはずの左耳からは、常に風の音が聞こえる。
遠くで走ってる車の走行音が左の耳元で聞こえる。
自分の声が狭い部屋に入れられたみたいに頭のなかで反響する。
食器を置く音、子供の大声、製氷機から氷を取り出す音…ちょっとした日常音がすごく不快。
茶道とかの所作がいかに他人にやさしいかわかった。
私、これまでがさつに生きてきて、知らないうちに迷惑をかけてたんだ。

あと、私は今耳の病気ですって札を下げてるわけじゃないから、いろんな人が普通に話しかけてくれる。
レジで、XXおつけしますか?と聞かれて、何をつけてくれるのかわからないのに、はい、と答えてしまったり。
もっと重い症状の人は、これ、かなりストレスだろうなあ。
世の中にはいろんな人がいろんな事情をもってそれぞれに生活してるということ、頭でわかっているようで、自分が全然わかっていないのを実感した。

今週一週間はお薬飲んでおとなしくしてよう。

突発性難聴の誘因に、ストレス、疲労があるそうだが、私、先週から学校に行き始めて、ものすごく疲れてた。
体は限界超えてるのに、心は学校に行けるうれしさと授業の楽しさと緊張と…心と体がバラバラのままダンスしてるみたい。「赤い靴」状態。
心と体の声をきくこと、ピラティスで習っているところだったのに…
大事に過ごそう。


迷う。。

抗がん剤、放射線が終わって、ホルモン療法が始まり一週間。
気分的にはちょっとハイ状態、気をつけなくちゃと思っているところなのだが...

病気と同時に無職になって時間だけはあるので、通信教育で資格試験の勉強をしていた。
その試験に受かったからといって、プロとして仕事につくのは難しいが、来年あたりの合格を目指して勉強しながら、週2回位のパート職(職種も時給もこだわらない。プラプラしているのがつらくて、早く社会復帰したい)について、ボランティアでその仕事を始めて...という風に思い描いていた。
テキストだと、好きな時間に勉強ができてよいけれど、やはり限界があって、ときどき開催される短期集中コースみたいなスクーリングも受けなくちゃな、と思っていた。

そんなとき、職安の職業訓練コースで、その職業の養成講座の受講生募集が始まって、今募集締め切りが迫っていて...迷っている。
自費だと数十万円かかるので、入学できたらすごくありがたい。
でも、6ヶ月、毎日遠方の学校(片道一時間半位)に通うのだが、いきなりそんな健康体の生活ペースに戻ってしまって、この先ホルモン療法の副作用がどーんと出てしまったらどうしようとか。

病気になってから、人に助けられたり親切やサービスを受けたりすることばかりで、やっと回復してきたのに、また学校か、という気持ちもある。
ぐずぐずしてたら、五十代になって、もっと再就職が難しいのでは、今はまず、ほんの少しでもお金をかせぐ形で社会復帰することを考えた方がよいのではと思ったり。
いやいや、時間に余裕のある今だから、勉強のチャンスなのでは、と思ったり。

ぼやーっとして靄がかかったような頭で悶々としてる。
学校や仕事のこと以前に、お昼ごはんなに作ろうと思って、冷蔵庫を開けて閉めて、あれ?自分は何が食べたいのだろうと考え込んでしまったり。
こんなになんでもないことさえ、いろいろ決められないのは、ケモブレインのせいなのか?療法ボケ?歳?

ううう。


トイレの花子さん

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トイレの女の子。

これまで2度入院して、今も通院している病院、お化けが出そうな雰囲気は、これまでここで悲喜こもごもだった何万人、何十万人の人たちの思いがこもっているせいかと思ったけど、老朽化だったのね。
最初に入院した時、エントランス横に、新病棟の模型が展示されていて、そのときはへえっ(そんな先のこと考えられないよ)て思っただけだったけれど、ついに取り壊し。
最後に、トイレの女の子にご挨拶。
穴だけ最初空いていて、それを顔に見立てて描いた落書き、いつもこのトイレに入るたびに、ニヤってして、楽しい気持ちになったのだった。そういう人、多かったんじゃないかな。最後まで消されなかったし。
これを描いた人、お元気でいらっしゃいますように。



患者会デビュー

先月、全8クールの抗がん剤投与が終った。
ホルモン療法と放射線療法が始まるまでの今の日々は、徐々に薬が抜けて体が自分のものに戻って行く発見と喜びの連続だ!わーい!
目にダマダマしたものがくっついてる、と思ったら、まつげが生えてきていたり、寝るってどういうことだったか完全にわからなくなっていたのに朝までぐっすり寝られるようになったり。
先のことを心配するより、たっぷり今の幸せを享受しよう。

患者会に出てみた。
月に一度、がん患者の会があるのは知っていたのだが、回復期と重ならなくてこれまで出席のチャンスがなくて。
ホルモン療法の副作用について、治療の先を歩いている先輩患者さんにそのあたりのことを教わりたかった。
大きな会議室に長机をくっつけた島がいくつか作られていて、受付で、あなたは何がん?と聞かれ、それぞれ、肺がんの席、胃がんの席、という風に別れて座るのが、妙にうけてしまい、一人ニヤニヤしてしまった。

私は乳がんグループ、私よりはるかに深刻な方が多くてたまげた。
小さなお子さんがいらっしゃるトリプルネガティブの方、これまで病気と無縁だったのに、いきなり余命宣告までされた方…
でも皆さん明るくて普通にお元気そう(無理してるのでなくて、それが日常だからじゃないかな)。
初発の治療中に再発してしまったというグループリーダーの方がニコニコしながらおっしゃった。

「こんなこと、大きな声じゃいえないけど、乳がんでラッキーだったんだよ。私、この病気じゃ死なない気がする」
私のはるか前を歩いている方のこの言葉、すごく力になった。

XX先生は診察中パソコン画面ばかり見ているとか、デカドロンで白血球が上がるとか、超限定的なトピックを、普通にベラベラとしゃべっても戸惑われたりせず、会話がはずむ。うれしい!うれしい!

あんまり楽しくて、乳がんの会というのにも参加してしまった。
さらにディープにたっぷりと、それぞれの病歴や治療の歩みの中で得たこと、今悩んでいること、お聞きすることができて、すごく参考になった。
皆さんが歩んできたと思えば、怖くないや。きっと大丈夫。

私、治療って学校で出た宿題のように、真面目に与えられたことをこなさなくてはならないものかと思ってたけど、そうじゃないんだ。
自分でどう生きたいか考えて、こういう治療がしたい(したくない)って決めて、病院や医師に協力してもらっていいんだ。

「リンパ節をとっても腕を動かした方がいいんだよ。運動不足で五十肩になっちゃう」
「骨髄抑制が出てる時期に、ナマモノばくばく食べてたよ」
ひええええ!!
私、これをしてはいけないというのも、額面どおり真面目に受け取ってた。
禁止事項は理解しつつ、したいことと天秤にかけて、ときには冒険をおかしてもいいんだ。

日焼け禁止、虫刺され禁止、土に触れるの禁止で、もう庭いじりはできないと思っていたけれど、ちょこっと草取りを再開した。
久しぶりの荒れ果てた庭、手入れも世話も全然できていなかったのに、春になったら約束したように、宿根草が土を割ってぐんぐんと新芽を出して、すごいものだなあ。
私も、この半年で随分歳をとってしまったみたいだけど、これからも衰えて失ってゆくかもしれないけど、生き物である限り、こうやって再生したり伸びたりしてゆくんだろうなあ。

種を蒔いたあと毎朝植木鉢を眺めるときのように、今は自分の体に期待してます。
いつ頃味覚障害は治るかなあ。
今度はどんな髪の毛が生えてくるかなあ。
耳鳴り、おさまるといいなあ。
美白ラインで基礎化粧品そろえた。シミそばかすが薄くなりますように。


今日この頃

この間、ツイッターで見かけた言葉、

「着たくない物をきて食べたくない物を食べ、会いたくない人と会い、こころにないことをいうのは健康の大敵。こころが錆びてしまう」

本当だなあと思った。


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薬の整理箱を自作してみた(笑)
材料費ゼロ、30分でできたにしては、無印良品風で悪くないではないか!

秋から始まった化学療法も今月で(多分)終了わーい003.gif
最近の副作用、
・視力低下(単に加齢?)
・臭覚異常(おじいさんがダメ、泣けるほど)
・味覚障害(一日中味の素を口につっこまれてるみたい)
・耳鳴り(受信中のFAX機の中で暮らしてるみたい)
・手足のしびれ(ものをつかみそこねる)
・動機息切れめまい(宇津救命丸、じゃない救心か)
・ケモブレイン(物忘れが激しい)
・ホットフラッシュ(今年の冬は暑いねえと発言し、夫絶句)
・不眠(眠ることって本当に大事だったんだ)
・倦怠感(動作が全てスロー)
その他いろいろ...

こうも感覚がおかしいと、自分に自信がなくなって、こんなこと決定しちゃっていいの?とか、私って卑屈になってる?とか、わからなくなってくる。
周囲の方にアドバイスをいただいたり、ネット上での日記を読んだりすることですごく不安が解消される。

でも、上記の症状って、病気に限らず普通にお年寄りとかにありがちだよね。
お年寄りを大切にって、本当だよなーとしみじみ思う(憎たらしいお年より&病人もいるけれど)。
こうなって気づいたのは、自分は心身の声をこれまで全然聞いていなかったなあと。
この副作用はどの薬から来ているのかとか、どこまで大丈夫なのかとか、自分で自分が分からない。
体調が落ち着いたら、ヨガとか気功とかナントカ道とか、なにか始めたいなあ。


体調は絶不調だし、メンタル面でも落ちることがあるけれど、最近幸せがすごくたやすくなった。
お腹が空いただけで、トイレに行くだけで、お日様が出るだけで、ああ、幸せだなあと心から思う。
幸せって無尽蔵に降り注いでいるものだったんだ。

こんなに簡単なことなのに、病気になる前はなんであんなにゴチャゴチャモヤモヤしていたのだろう。
会いたくない人と会うのもなにかの縁、誰かを嫌いだなんて思う未熟な自分を成長させなければいけないからだ、とか、いやなことをするのは大人でいるための税金を払うようなものだと思って、「着たくない物」を着続けてきた。
誰も本当はそれを押し付けてなかったかもしれないし、押し付けられたら戦っても逃げてもよかったのに。

と書きつつ、先日も出がけに友人からの長電話をさえぎれず、つきあってしまったのだけど。
でも、いいやと思う。
1回でできる人もいれば、百万回しても転んでしまう人もいるよね。
でもそういうことって、代わりに誰かにやってもらうことはできないし、How toで近道を習って効率よく習得できました、成功!というものでもないのだと思う。
結果が出ればもっとよいけれど、百万回の練習は自分で消化するしかないのだ、淡々と、でも忘れずに取り組んでゆこう、という気の持ちよう(?)が大事なのではないかなあと思う。
頼りないけど。


ズシンと幸せ

抗がん剤治療も後半戦、ファルモルビシンにはもう心からうんざりしていて、毎日アスタリフトの化粧水の赤い色を見るたびにオエー、オエーと吐き気をもよおしていたのでよい潮時だわ。
心機一転、ドセタキセルさん、こんにちは。あなたもよい仕事してね。
ドセタキセルは全身激痛とか、感覚麻痺とかしびれとか爪がはがれるとか、恐ろしい話も耳にしたけれど、一回目は特に激烈な副作用は出ず、倦怠感のみで、ほっ!(一回得した)
が、段々その倦怠感が増してきて、室内を歩くだけで息絶え絶えになってきた。




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仕事ってすばらしい

薬の副作用で頭がハゲてしまった。
負け惜しみを言わせてもらおう。
ハゲって最高!
もう何千円かけてヘアケア用品を買う必要も、一万数千円かけて美容院に通う必要もない。
爆発ヘアをひいひい言いながらヘアアイロンで伸ばしたのに、出かけて数十分後にはまたグリングリンに乱れてる憂鬱もない。
バスタイムも半分の時間に短縮。
疲れているときって実際に頭皮が硬くなっているのを初めて実感、お風呂で洗顔するときに同じ泡で頭部もやさしく洗い、手の平で温めるように包むと、段々とほぐれてきて気持ちいい!(銭湯のおっさんではないので、このときの石鹸は友人特製のハーブ入りオーガニックソープ。おーほっほっほ)




でもね...

勇者と妖精とお姫様

春の乳がん健診でひっかかり、夏に手術を受けました。
幸いおとなしい性質のがんで、いろいろ有効な治療方法もあるので、ラッキーでした(ほっ)。
毎年マンモを受け、随分前から腫瘍があったのにずっと良性と言われ、発見が遅れましたし、同じように良性と言われても納得できず、転院してやっと見つかったとか、そんな話もよく聞きます。
だから、偶然これを読む皆さん、どうかお体を一番大事になさってください。病院でプロの医療従事者のお墨付きをもらったからと安心してしまわないで、少しでも気になる点があったら、ご自分を信じて、納得できるように行動してくださいますように。



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青山一丁目へおでかけ

乳がん患者用のグッズを販売しているありがたいお店が青山一丁目にあって、予約をとってでかけた。
ご自身も乳がんサバイバーのアドバイザーさんが、じっくり時間をとって相談にのってくださり、ウィッグやキャップ、下着を購入。もう化学療法が始まるまで時間がないから、一箇所で納得いくものが揃えられて本当に助かった。

帰りに近くのカフェでランチ。
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人気のあるお店らしく、混雑していて、店員さんたちがつっけんどん。
もうしばらく青山におでかけすることはできないんじゃないかな。最後のカフェがあれか...
残念なまま終わりたくなかったので、三ツ葉屋で毛糸を見る。昭和の世界から出てきたような紳士的な店員さんが、慇懃に接客してくださり、必ずお釣りはシワ1つないピン札で返される。編み物ファンが少ない昨今だけど、どうかこんなオアシスのようなお店がこれからも末永く続きますように。

指の手術

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リネンの部屋着。本当に簡単なパターンで、でも楽しかった。ミシンをかけるのがますます快感になってゆく。





先週、指の手術をしたときのことを書いておきます。