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空につながるための家

仕事ってすばらしい

薬の副作用で頭がハゲてしまった。
負け惜しみを言わせてもらおう。
ハゲって最高!
もう何千円かけてヘアケア用品を買う必要も、一万数千円かけて美容院に通う必要もない。
爆発ヘアをひいひい言いながらヘアアイロンで伸ばしたのに、出かけて数十分後にはまたグリングリンに乱れてる憂鬱もない。
バスタイムも半分の時間に短縮。
疲れているときって実際に頭皮が硬くなっているのを初めて実感、お風呂で洗顔するときに同じ泡で頭部もやさしく洗い、手の平で温めるように包むと、段々とほぐれてきて気持ちいい!(銭湯のおっさんではないので、このときの石鹸は友人特製のハーブ入りオーガニックソープ。おーほっほっほ)







よりによってどうして5年に一度の免許更新がハゲてる今年なんだーっ!!!

早くしないと、眉毛も睫毛も完全にハゲてしまうので、慣れないカツラを被って、近所のショッピングセンターの証明写真自動撮影機に行った。
カツラって地毛と違って艶はあるし、整ってるし、便利だと思っていたのだが、違った。
どの位顔や肩にかかっているのか、自毛でないので感覚がつかめない。
その上に眼鏡をかけると、益々何がなんだか分からない。
撮影ボックス内には鏡がなく、うっすらと暗いガラスに反射する自分の姿を頼りに髪の毛を直しているうちに、音声が、早くスタートボタンを押せ、時間が経ったら勝手に撮影するぞ、とせかす、せかす007.gif
前髪の上に眼鏡がのっかってしまい、再撮影。
正面に据えられた照明が眼鏡に映りこんで反射し、再撮影。
照明が眼鏡に映りこまない角度に顔を上げ、今度こそうまくとれたかと思ったら、ものっすごい顎を上にあげて、どう見てもふざけてるみたい。
顎をひくと、また反射でピカーッ。
機械にどんどん千円札が飲み込まれていって、結局無理だとわかったときは、疲れ果てて、バカにされたようで、泣きそうな気分に。

すがりつくような気持ちで、売り場案内を見たら、カメラのキタムラで証明写真の撮影もしてくれてるって。
店内の片隅でロールスクリーンをおろし、売り場のお兄さんに、はい、ちょっと笑ってください、リラックスしてください、と声をかけていただいて、何枚も撮った中から、これがいいと思いますよ、と選んでいただいたときは、本当にほっとして、泣きながら手を握ってお礼を言いたかった位だった(しなかったけど)。

私は脱毛がそんなにショックでなくて、それは去年からがんセンターに入院したりして、脱毛している人たちに多く接して、いろいろ親切に教えていただいて、大丈夫なんだ、と学習できているから、と思っていた。
でも、それだけじゃない。
かつらでヒヤヒヤ人前に出たりするような機会も少なく、信頼している人や犬や、ハゲても自然でいられる恵まれた環境で療養しているからなのだった。
普段は全然平気、って堂々としていたけれど、撮影マシンの中で悪戦苦闘したあと心がへこんで、売り場を歩いているときは、人の視線が自分の頭部に向いていないか、すっかり卑屈な気持ちになっていた。
仕事や子育てをしている人、何かと外で用事のある人は、毎日もっともっと不便で大変なのだなあ。

指定時刻になって、カメラ屋さんに写真を撮りに行ったら、待ち時間の間にチョイチョイ修正してくれていた。
撮影時、PC画面で見せてもらったときは、内心、ああ、私もおばあさんになったなあと思っていたの。
実際の歳もだけれど、痩せちゃったし、副作用で顔が黒くなって、ファンデ浮きまくりで。
ああ、よかった!これから証明写真が必要になったときは、今日焼いてもらったCDを持って行けば、好きなサイズで焼き増ししてもらえる。
シミやシワまでとっていただいて、エールを送られたみたい!!
ズラをとって、手を握り締めて、実はこういう事情なのだ、あなたはすばらしいと号泣しながらお礼を言いたかった(言わなかったけど)。

カメラ屋のお兄さんは普通に仕事しただけだけど、世の中が当たり前に動いて、商品が買えたり、サービスが受けられたりって、本当にありがたく、誰かを救うものなんだ。
私が働いていたとき、ときに無意味に思えたり、腹立たしかったりもしたけれど、それだって絶対回りまわって何かの役に立ってたよね。

今日、警察署で無事更新手続きを終えることができた。
今日は前回よりズラも上手に被れた!(やっとわかった!前回は深く被りすぎで、前髪がゲゲゲの鬼太郎状態だったので苦戦したのだった)
うれしすぎて、その勢いでかわい~い帽子も購入(何度も試着させてくれたお姉さん、ありがとう053.gif)。
ズラに慣れたら、違う髪形のも買おう♪
この際だから、バッサバサのつけ睫毛も挑戦してみようか。

あの証明写真を貼って、就職活動して、もしまた働ける日がきたら、また、つまらないとか、意味がないとか思ってしまうときがくるだろうか。
誰かの役に立っていることを忘れないで、丁寧に働きたいなあ。


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