空につながるための家

指の手術

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リネンの部屋着。本当に簡単なパターンで、でも楽しかった。ミシンをかけるのがますます快感になってゆく。








入院とか手術とかって、緊張したり、薬やなにかでボーッとしたりするせいか、終わって日常にかえると、すぐにモヤのかかった遠い出来事になってしまう。
去年入院時、尿道カテーテルを抜いて最初に自分でトイレに行ったとき、私の尿道が確かに民謡を歌った。
”はあ~~あ △◎×#$% あこりゃこりゃ”、みたいな感じではっきりと、一節以上。
そのときはガーンとショックを受けて、少数の身内に語ったところ、皆、ウソだって。今では私自身半信半疑で、そんなこと本当にあったのだろうかと思い始めている。
その前の手術のことは夢みたいだし、その前の前の手術のことは殆どなかったことみたい。
だから、今回特におもしろいことはないのだけれど、忘れないように。

指の先を手術するだけなので、軽い気持ちで病院に行ったら、血圧、体温、顔写真撮影(チーズと言われて大笑いしてしまった)、名札バンド取り付け...いやに本式にコトが運んでゆく。
よい人らしいのだが、外来受診時端末PCの使い方が分からず、手術の前ってどんな検査をするんですか?と看護師さんに聞いていた新人のセンセイ、手術承諾書でも右手と左手を間違えて記入していて、訂正のために控えを回収される。ちょっと不安。。
看護師さんに手術室に案内され、手術着に着替え、担当の方達の挨拶、手術台に横たわり、左手は点滴、右手は止血バンドで固定されて磔刑状態。心電図までとられて、ビビる。
目隠しカーテンをセッティングされたので、
「あのう、見たいんですけど」
と、一応頼んでみたが玉砕。白黒のレントゲンみたいなイメージで我慢。

一番痛いのは麻酔と聞いていたので、
私「30秒の我慢ですよね」
医師「僕、そんなこと言いましたっけ?約束したなら30秒で済ませます」
私「大丈夫。ゆっくり30数えます」
手の平からぐいぐい指の先に入ってゆく感覚。そんなに飛び上がるような痛みではなかった。
カンシで向きを変え、角度を変えて、懸命に骨を戻そうとしてくださるのだが、動かない。
開くのはイヤだなあ、仕方ないなあと思いながら、待合室で直前まで読んでいた本に出てきたおばあさんのことを考えた。
末期ガンだけど、インコにエサをやるために毎日外出許可をもらって自宅に帰っていて、自分より被災地の人がかわいそうだって。自分が亡くなったらインコは空に放ってやるつもりだって。原発20km圏内の動物のために500万円寄付したって。
一本の指の先の小さな骨のために、何人ものスタッフがつきっきりでがんばってくれる。平和で幸せだ。

なんとか骨が動く角度が見つかって、これで行こうとの声。ほっ。
ウイーン、ガリガリガリ、みたいな、手術室というより工事現場みたいな音が鳴り響いて、思わずふきだしてしまった。冗談みたいだ。
目隠しカーテンの上に手を持ち上げて、針金3本が指に刺さった状態を見せてくださった。
医師「へそピアスみたいでしょ?」
うんうん、皮膚みたいな有機的なものと、金属の無機質なものの組み合わせって、確かにそういうノリがある。
ちゃんときれいに刺さって、先端が曲げてある。実は不器用な先生だったらどうしようかと。。ちょっと疑ってごめんなさい。

ありがとうございましたって普通に頭を下げて、薬局で処方薬もらって、歩いて帰って、帰宅後すぐに夫に昼食用意して。
私、ちょっとすごいかも。私ってえらいよー、とうれしかったが、後で病院から電話がかかって、支払機でおつりを取り忘れていたって。やっぱり妙な興奮状態だったのだ。

骨は完全には元の位置には戻らなかったので、少し指が太く短くなるでしょうって。それくらい全然構わないです。
関節が固まって動かなくなっているので、今週から動かすリハビリを始め
ましょうって。痛いけどゆっくり押していると曲がるようになる。だけど時間が経つとまた動かなくなってる。柔軟体操みたい。
6週間経ったら針金を外して、2~3ヶ月で治る見込みだって。
夏にはバシャバシャ両手で顔が洗える。思いっきりミシンもかけられる。
楽しみ!

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