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空につながるための家

映画感想2

「おくりびと」


笑わせるところで笑い、泣かせるところで泣いて、見終わった後、ああ、ウソっぽいなあと。なんでこんなものが賞をとったり大ヒットしたりしたのか?





広末涼子演じる妻がありえない。
きれいでかわいくて、世界中演奏旅行に連れて行ってくれるはずの夫が無断で1800万円の借金して仕事をクビになって、誰も知る人のいない山形の小さな町に引っ越して、それでもニコニコして、毎晩かいがいしくご飯を作って。
発言小町に投稿したら、100人位が「離婚しなさい」とアドバイスを寄せることだろう。

二人が住む家、主人公の亡くなった母親が生前スナックを営んでいた古家なのだが、暮らしぶりがおしゃれで、ku:nelとか、天然生活を愛読するような雑貨好き女子が飛びつきそう。
山崎努が男ヤモメで住んでる家もおしゃれ。
お風呂屋のおばあちゃんの吉行和子、美人過ぎ。

納棺師という職業のことをまったく知らないのだが、作品内では、遺族の前で”茶道のお手前のように”美しい所作で、遺体を尊厳あるものとして敬意を払い、棺に納める準備を行う人として描かれていた。
主人公は、何の知識も経験もないままその職業につき、事務員さんも「(仕事は)ヒマよ~」と言っていたのに、わずか2ヵ月後には一人で立派にそれを行えるようになり、半年後には、その職業を天職として誇りを持って受け止められるようになるなんて...早過ぎないか?

死はそんなにおしゃれだったり、簡単だったり、きれいだったりするものではないと思う。

ところどころで挿入される食事のシーン、死んだ鶏の首、つやつやした白子、フライドチキンの骨の山...死と生を端的にあらわしているのだろうが、あからさま過ぎて気恥ずかしいというか、説教臭いというか。

よかったところ、最後、主人公が父親をおくるシーンで、ベタベタと泣かせず、サラリと終らせたところ。
それからロケ地の美しい風景。
"モックン"の熱演、本当にチェロ奏者が演奏しているように見えた。
by soraie | 2010-10-23 12:27 | その他
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