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空につながるための家

横浜美術館

束芋展、作品の表現方法上、気軽に入り込んで、別世界に浸れるかと思ったのだが...ダメだった。
指、舌、絡み合う男女、包丁で開かれた腹、絡む髪...
生々しさに不快感がつのり、イライラしてしまって。 体調とか、こちらの状態もあるんだよなあ。
足早に会場を通り過ぎる。
作家が時間をかけて形にしたものなのに申し訳ない。
MRIみたいな筒の中で体をスキャンしているうちに空にとけてゆくような作品、あれはちょっとおもしろかった。
体に蛹がわいて、蛾が孵ってゆくところとか。

それよりコレクション展がよかった。
セザンヌ夫人の肖像とか、岸田劉生の友人の肖像とか、横浜美術館、いいの持ってるなあ!
名前は失念したのだが、日本画で、蹴鞠の名手藤原成通の横で猿が鞠を抱いている図、新春にふさわしい清々しさが画面から溢れていてよかったなあ。
月岡芳年の風俗三十二相、気持ち悪かったー。
赤ん坊をあやしている女性の口元から舌がちろっと出てたり。

会場を出たらもう夕闇。犬が待っている。早く帰ってあげなくては。
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もうひとつ、寄ってみたいところがあった。
うちの近所におじいさんがお一人でやっているコーヒー豆屋さんがあって、150円でコーヒーが飲めるみたい。
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70年代前半あたりで時が止まってしまったかのようなインテリアの清潔な店内。使い込まれたイスやテーブル、かわいらしいカップ。
時間をかけ丁寧に作ってくださったあとは、大きな焙煎機の置いてある厨房で、いつまでもお鍋やシンクを磨く音がしていた。
ああ、落ち着く。
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